コラム

チェブラーシュカとなかまたち ~ 独りぼっち

チェブラーシュカとなかまたち

チェブラーシュカとなかまたち

ロシアに『 チェブラーシュカ 』というの絵本がある。日本では馴染みが薄いかもしれないが、TV放映やDVDなども出ているので内容を知らなくてもキャラクターは見たことがある人は多いのではないだろうか。友達というお話。

僕はチェブラーシュカを永年、サルだと思っていた。
この歳まで物語をちゃんと読んだことがなかったのだが、読んでみるとどうやらサルでもクマでもタヌキでもない正体不明な生き物だった。

オレンジの木箱に詰められてロシアまでやってきたその謎の生物は、立たせても立たないので「バッタリ倒れ屋さん」と言う意味の『 チェブラーシュカ 』と名付けらたと書いてあった。

チェブラーシュカは正体不明の生き物であるが故に、日常はおろか動物園ですら受け入れてもらえない。都会の片隅にある電話ボックスを寝床にして、チェブラーシュカは孤独に耐えていた。
また、動物園で働くワニのゲーナも、悲しいほど孤独な環境にあった。孤独で寂しいゲーナは、ある時、友達募集の貼り紙をして友達探しをすることに。

フリーランスになりたての頃、チェブラーシュカやゲーナのように、孤独や寂しさを感じた人も少なくないだろう。もしかすると、今でも孤独の真っ最中、現在進行形の人も意外と多いかもしれない。チェブラーシュカやゲーナが自分と重なり、ちょっと切ない。

でもゲーナの「友達募集」の貼り紙を見て、チェブラーシュカは嬉しくなってすぐにゲーナを訪ねた。そしてゲーナとガーリャという女の子と友達になった。
ある日、ライオンと子犬が喧嘩しているのをチェブラーシュカは仲裁し、仲直りさせて仲良くしてあげた。
そしてチェブラーシュカは考えた。

他にも独りで寂しい思いをしている動物たちがまだまだたくさんいる。チェブラーシュカは、そういう動物たちを助けたいと考え、孤独な動物たちが集まれる「なかよしの家」をつくることに。
「なかよしの家」に住みたい動物たちも家づくりに協力して遂に「なかよしの家」が完成した。
完成したときには既にみんなが仲良くなっていた。

という、最後は何ともほっこりする話だ。

2011年3月に東日本大震災があり、予定していた制作案件がペンディングやキャンセルになり、急に暇な時間ができたので、この機会に他のクリエイターの近況をTwitterやfacebookで聞いてみることにした。どこも同じような状況で、特に広告寄りの制作会社やフリーランスにとっては、結構な打撃があったと記憶している。潰れた会社も少なくない。

どうせ暇なので、情報交換や横のつながりを強化しようと思い、SNSで「勝手に100人に逢えるかな?プロジェクト」と題して、ダメ元でランチや呑みに誘ってみると意外や意外、みんなノッてきてくれて、たくさんのクリエイターやWEB業界の人と逢うことができた。

その中で特にフリーランスに共通していたのが、同業者との繋がりがなく情報難民になっているという状況。セミナーやワークショップなどは参加するものの、その後の懇親会ではなかなか繋がれない現状や、日常は一人で孤独に作業しているので困っても聞く人が居ないとか、情報やスキルが偏るとか、悩みや不満を共有したり発散できない思いをみんなが感じていた。
チェブラーシュカやゲーナたちと同じように、孤独を感じていたのだ。

そこで、イベントのついでじゃない、ただ呑むだけの交流会をやってみようと思い立って2013年9月14日、記念すべき第1回目の交流会を開いた。はじめての呼びかけにもかかわらず21名のクリエイターが参加してくれた。2時間と言う短い時間だったが、名刺交換してただただ愚痴ったり、みんなどうしてるの?っていう素朴な疑問、あるあるネタで盛り上がった。

その後、30人、40人と多人数の交流会を主催したり、少人数の親睦会を数回開催して、孤独に感じているクリエイターやエンジニアの「なかよしの家」を一時的に提供できたかなぁと当時を振り返っている。

残念ながら今は、そういうカタチでのイベントはもう開催していないが、また「なかよしの家」を求めるチェブラーシュカやゲーナ達が僕の前に現れたら、もう一度、復活する日が来るかもしれない。

ちなみに「100人に逢えるかな?プロジェクト」は、止まってた仕事が動き出したり、人と逢って真面目に話すのって結構消耗するので70人で頓挫してしまったけど、これはこれで一つの成果だったと思う。
その時に逢った人たちは元気にしてるだろうか…

チェブラーシュカとなかまたち

というお話でした。

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About ロキ

江戸下町産。東日本大震災をきっかけに働き方を変える決意をして、半年後に女性制作ギルドQriousを立ち上げ。46歳で慣れ親しんだ東京を離れ、瀬戸内の静かで穏やかな島暮らしをするために移住。行った先で新たなクリエイティブギルド弓削島制作舎を立ち上げて、東京や大阪と島の暮らしを満喫中。メガネ&方言女子が大好物。個人的には懐古的なモノがスキ。仕事ではユーモアを忘れない。
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